12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
たった一日で心が変わったりはしない
だけど僕らは時間でケジメをつけるんだ
++はっぴーばーすでー++
ロックミュージックをスピーカーから流しながら、私は画面に向かっている。
やっていることは大概、人の日記を見るか、自分の日記を見るか、ただの時間つぶしか、自分の妄想を文字にするかの四択だ。ベージュ色の世界に、黄熱灯は映える。不思議な世界の中で、自分が一人、異世界にいる気分になる。
そんなの、幻想でしかないのだけれど。
誕生日まであと数時間。もうこの年齢では、空色の空へは臨めない。
私は小さく溜息を吐く。
たかが誕生日、なのかもしれない。毎日誰かの誕生日だ。自身の誕生日だってこれまでに16回も経験してきた。
だけど、と私はパソコンに向かって口を尖らせる。
16歳というのは、自分にとっては特別な年齢だったから。
寂しかった。この年齢じゃなくなることが。またひとつ年をとるということが、堪らなく不安だった。
いつもはそんなことを感じない。
…いや、感じてるか。
小さく呟きながら、私は文字を打ち込んでゆく。
不安だ。
未来がどのようになっていくのか、物凄く心配だ。
それは、地球温暖化でこの星が滅びる、とか、日本の政治経済が云々とか、そういう真っ当な不安じゃない。褒められたもんじゃない。
だけど、それは私全体を呑み込むような壮大な不安なんだ。
自分はこれからどうなるのか。
どんな風に年をとって、どんな風に生きていって、どんな風に死ぬのか。
未来なんてまったく見えないから、怖い。
そして
この一年を無駄に過ごしたのではないかと不安になる。
誰かに訊いてみたいな、と思った。
自分だけじゃなくて、ほかの人たちもみんなこんな不安を持ってるのか。
364日は忘れてしまっている、年を取ることへの不安。
それをみんなは感じているのか、どうなのか。
「…ま、恥ずかしくて、聞けないけどさ。」
小さく小さく呟いて、私は席を立つ。
17歳の夏はギターにかけると、心に決めていたから。
まだまだ若い自分に乾杯!