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なんか ちょっと 気分晴れた。
ブログ好きです。
無料ゲームをいつのまにか弄っちゃうよりは 建設的ですしね。
ツイッターよりも思いがつづれるし。
じゃぁ ついで。
そんな現実逃避の一環として 昨日 やってしまった、
中学時代のような台詞構成による、中学時代のようなメッセージ性のないお話を 載せておきます。
どうしても勉強ができなくて
昨日は中学の時の 「作品の最後に日付をメモする習慣がつく前の日付なしのお話」を読んでました。
懐かしかったです。
で、 誘発されて書いてみたんですねー。。。
もう書かない。
絶対書かない。
でもすごく書きたいんだけどどうしよう。
* * *
魔法が出てくるから空想(ファンタジー)
ドラゴンが出てくるから空想
それならこの現実(リアル)も空想
++現実世界(ファンタジー)++
「悲劇のヒロインか。笑わせてくれるねぇ。」
ヒミコは大きな声で言った。
口調が婆臭いことはもう、あえてつっこまないでおこう。
俺は横のそいつを見ながら、教科書の陰で溜息を吐いた。
「私ならこんな男、呪いかけてやるんだけどな。」
続けて言う彼女は、片手に教科書を持ち、もう片方に鉛筆を握ってはいたが、机の上に顎を乗せて先生の方を上目使いで見上げるといった、まったく国語の授業にそぐわない姿勢でいた。
嗚呼まったく、こいつは。
「ねぇ先生、そう思わない?」
「美袋(みなぎ)さん、誰も貴女の感想なんて求めてないですわよ。」
クラスが笑いに満ちる。
いつものことだ。こいつは。
ずっとずっとこうだった。
だけど…
俺は今でも慣れないのだ。
もう一度大きく溜息を吐いた。
「でも、良い意見ですわ。みなさん、それでは、この相手の男にかけると良い呪いを挙げてみてくださいます?」
担任はそれほど堪えてないみたいだけれど。
「んー金縛り?」「ゆるいなぁ、失神だろ!」「失神なんかより忘却」
「最初から愛の魔法をかけておけば良いんじゃないかしら?」
周りも全然気にしてないみたいだけれど。
国語の授業はどうしたんだよ。
この教室にいる唯一の常識人である俺は、もう一度溜息を吐いて、諦めることにした。
終ったらコーヒー買いに行こう。このストレス社会で生活している慰めに。
チャイムが鳴る。
終礼だ。
そう。
ここは普通の中学校…… ではない。
普通の魔法学校第7学年の教室である。
「である、とか言われてもねぇ。」
ヒミコは俺の思考に割り込んできた。
こいつお得意の『読心術』
「誰に説明してんのよ。」
「俺」
「まぁ、そうでしょうけど。」
―― ドラゴンに乗るんでしょ?明日。浮かない顔してるよ。
ヒミコは手に握った缶を差し出してきた。
「どこからとってきたんだよ。」
「ん、食堂にちゃんとお金送って、その代わりにもらったよ。」
彼女の左手には杖が握られていた。
嗚呼そうですか。
「明日は何をするの?」
ヒミコは自分のためにもう一度杖を振り、オレンジジュースを手にした。
「一応、人命救助みたいなことだよ。明日はレースじゃないんだ。
だから公欠。」
「おーかっこいい。」
なんでそんなに棒読みなんだよ。
「棒読みじゃないよ。」
「だから心の声読むなよ。まったくもう」
俺は渡されたコーヒーを見て舌を巻く。
こいつはこれだから。
「人命救助ってことは…この前災害があったところかしら?」
「そうだな。」
「大変ねぇ。」
「うん大変。」
予想外に渡された予定していたコーヒーを口にしながら俺は頷く。
あまり知られていないが、ドラゴンというのは穏やかな生き物である。
見た目の厳つさは関係ない。
関係ないのだが、乗り心地はそんなに良くない。
だからこその、『大変』
「この星の反対側までマッハ飛行だね。」
「言ってくれるな。辛いんだ。」
「そうよねぇ。私なら断るわ。」
「俺は断れないんだ。」
一般人代表の俺が、しかしこのへんてこな人間ばかりが集う学校に入ったのは、まずこのヒミコの家の隣に住んでいたからだが、
俺にドラゴン遣いの能力が認められたからでもあった。
先ほども述べたが、ドラゴンに乗ること自体は難しくない。誰にでもできる。
だが長時間乗せてもらい、尚且つ、ドラゴンと意思の疎通を行うとなれば、それはもう猛獣使いの領域だ。
違った。
霊が見えるとかいうレベルだ。
つまり、血筋である。血縁である。望まななくても得られる能力で、望んでも得られない能力である。
「学費出してもらってるからには、逆らえないだろうが。」
「でもタイミが魔法使いになりたかった訳じゃないのに。」
「まぁそうなんだけどな。」
この国には義務教育があるから、別に魔法使いにならなければ学費は要らない。
私立学校であるこの学校に通うのが恐ろしいほど高額なだけで。
「俺、大した能力ないしな。」
「あるじゃない。」
「一般人には必要ない能力だから、魔法使いになることにした。」
「なるほど。」
ドラゴンの存在なんて伝説だものねぇ。
と、ヒミコは小さく呟いた。
「呟いてないわ。心の声だけど。」
失敬。訂正する。ヒミコは思った。
「じゃあ、今晩は美味しいもの作ってあげる。」
「え?」
「良いでしょ。
お父さんとお母さんに頼んで食材用意してもらっとくから。」
にこっと笑ったヒミコは、止める間もなく杖で四角の画面を描く。
「お母さん、今日おごちそうよろしく!」
「わかったわ。タイミくんのためね?」
「うん!」
別にお前が作る訳じゃないだろ、と俺は言いたい。
「すみません。今日はお邪魔します。」
「大丈夫よー」
ヒミコの母親が、にっこりと向こう側で笑っていた。
そして、画面が消える。
同じ顔でヒミコが笑っている。
「じゃ、それまで私の宿題手伝う?」
「手伝わない。」
「そっかぁ、それじゃぁまた後で!」
一般人:ガウタイミにはついていけないテンポで会話は続く。
そう。
もう十何年もこんなだ。慣れないけれど。
一瞬で、ヒミコはテレポートした。
誰か、宿題ヘルパーのところにいったのだろう。
それじゃぁ俺はどうするか。
親はいない。帰る場所はない。
それなら…決まってるじゃないか。
さ、ドラゴンのみんなに愚痴りにいこーっと。
2011.2.12